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鉄筋コンクリート造住宅について

           

鉄筋コンクリート造住宅について

現在、当事務所で設計する住宅では、鉄筋コンクリート造の割合が増えています。強風による揺れに関しては、この構造に勝るものはありません。

■台風の影響

実は数年前にできた地球シミュレーターというコンピューターの計算によると、西暦2100年には日本にもカテゴリー5の台風が来るようになるとの結果が出ました。カテゴリー5の台風とは数年前にアメリカに上陸して多大な被害をもたらしたハリケーン・カトリーヌがそれにあたるようです。風速で言いますと80m/秒、これは時速288kmになります。この速度の風に乗って飛来物がぶつかるということは、F1の直線なみの速度でモノが飛んでくるということで、ほとんどの建築材料では室内空間を守ることができなくなります。

■将来、台風の勢力は強まっていく

では「2100年は遠い未来か」というとそうでもありません。今、生まれてきた子たちが90歳になるころですから。また、2100年に突然カテゴリー5になるというわけではなく、今から徐々に台風が強力化していくと考えられます。すると、いま30歳の方が家を建て90歳になるころが2070年。もしかしたら風速70mくらいの台風は来るようになっているのかもしれません。もちろん今、取り付けているガラスなどでは対応できないかもしれませんが、改修をするうえで構造体を扱わないで済むというのは大きなアドバンテージだと考えています。

■ただ、環境を守る必要もある

コストに関しましては、木造や鉄骨造に比べて割高になるのも事実です。内外ともコンクリート打ちっぱなし仕上げにすることに加え、さまざまな試行錯誤をしたうえでローコストの坪単価50万円弱の建築費も可能になるでしょう。しかし、かなりシンプルなプラン・設備であることが前提となってきます。
(このブログを書いたのは20年近くまえです。2022年現在、坪単価70万円も難しい状況です。)

ただ、環境面でいえば30坪の住宅1軒で5m角くらいのコンクリートを使うことになります。その素材となる砂、石、セメント、そして鉄筋の鉄の原料が、どこかの山で切り出されたり、海から砂を採取したりしますので、誰かのふるさとの山が姿を消し、海が変わるなどの影響を与えているのも事実です。これらのコンクリートが将来、確実にリサイクルできるようになることを期待したいところですね。
               

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